寒いわ、雨降るわで、沙田馬場の入場数は1万2千人程度。過去6年で最低の入りとのこと。
メインは第7Rの百週年紀念銀瓶(Centenary Vase/センテナリーヴァーズ T1800m 3yo+ 香Gr3)。人気は包裝大師(Packing Winner/パッキングウィナー)と爆炸(Viva Macau/ビバマカオ)が2倍台で中心。爪皇凌雨(Vengeace Of Rain/ヴェンジャンオブレイン)が7.7倍、牛精福星(Bullish Luck/ブリッシュラック)が9.2倍と続いた。
スタートで領闖(Famous Dancer/フェイマスダンサー)が大きく立ち遅れ。爪皇凌雨も行きっぷりが良くない。予想に反して小武士(Sir Ernesto/サーアーネスト)も逃げず、卓爾不凡(Top Honor/トップオナー)と確[ロカ]寶(Syllabus/シラバス)が先行。渋った馬場を考えれば遅くもないペース。爪皇凌雨は終始追っ付け通しも後方2番手。
3コーナーに入って馬群が凝縮し始めるとともに、爪皇凌雨が後退。明らかに反応がおかしく直線では歩き始めてしまったがレースは続く。4コーナーを回って一団となった馬群をこじ開けるように、残り300mで牛精福星が先頭に。そのまま後続を突き放すと、大外から迫った活力金剛(Vital King/バイタルキング)にも3馬身差をつけて優勝。3着にインに潜り込んだ爆炸。
勝った牛精福星は一昨年の安田記念以来の勝利。蘇銘倫(C Soumillon/クリストフ・スミヨン)とのコンビでは4戦して2勝2着1回と非常に相性がいい(残る1回はドバイデューティフリーの5着)。今後は香港金盃(HK Gold Cup/ホンコンゴールドカップ)に向かい、その後はドバイへの再々遠征も視野に入っているとのこと。
問題は競走中止となった爪皇凌雨。レース後の検査で心房細動が判明。これがこの馬自身2度目の心臓疾患の発症で、次走まで半年間隔を空けなくてはならなくなった。年齢と再発を考え、管理する霍利時(D E Ferraris/デイビッド・フェラーリ)師は引退を即断。オーナーの周氏一家にその旨進言したとのこと。香港競馬史に残る名中長距離馬の幕は、皮肉にもこの馬にとって最初の重賞タイトルとなったレースで降ろされることとなった。
その他は明日づけで。